2006 Kei DirtCup RD.2@オートランド千葉

泥んこ

モータースポーツのためならククレカレー」(意味:飯代削ってでも楽しむぜ!)という合言葉の元、日本各地を走り回っている(やや大げさ)風来旅団自動車部ですが、結成以来横転やマシントラブルなどでまともな完走が一度も無いという結果が続いてしまっている。いい加減この不甲斐無い状況から脱却したい所だが、果たして今回はどうだったか。

当日の天候は雨で、路面コンディションはかなり悪い。ドライでさえかなり深い轍ができるのに、まさに“泥”となった路面がどれだけ酷い事になるか想像も付かない。しかし実のところ自動車部員のスキルであれば悪路を走る事自体の心配はさほどなく、むしろブラインドコーナー先で他車が止まっているなどのシチュエーションの方を恐れているがこればかりは運の割合が多いので祈るしかない。

風来旅団がエントリーしたのは(今回も)車両をレンタルしていただけるAクラス。そのレンタル車両の選択については早い者順というアナウンスがあったのでモジャさんに早めに現地入りしてもらうが、皆考えることは同じようでFatalが到着した時にモジャさんが持っていた整理券の番号は4。パドックに目を移すとVIVIOや、以前お借りしたKartoff♪号(しかしステッカーは剥がされていたw)などが目に入るが、この辺りは先に取られてしまうだろうという事で“押さえ”の車を物色する。車高が低くレーシーな雰囲気のトゥデイあたりも気になるが、最終的には「俺はトラブらないぜ!」というオーラを出していたダイハツ・ミラに決定。メカニックについては素人の風来旅団だが、毎回のようにトラブるミッション・デフ周りがしっかりしていて問題なさそうだったので、足回りなどには目をつぶってあくまで完走目的のチョイス。

今回はいつものような「練習走行+3時間」という構成ではなく「2時間+2時間」の2ヒート制。練習走行は無しかと思われたが主催者が時間を作ってくれてちょっとだけ練習走行。いつも通り重冨さんをトップバッター……ってまだ着替えてないし(´Д`)「んじゃ誰が出る?」「車の状態を把握できる人がまず行くべし」という事でFatalが出撃。先に書いた通りいつも駆動系のトラブルが多いのでまずはそこからチェック。「カチリとギアの噛み合う手応えやしっかりとクラッチの繋がる感触が伝わってくる。よしよし駆動系は問題無さそうだ。エンジンも普通に吹けるし、やや低速トルクが足りない印象だけどこの足場ならさほど問題になるまい。ブレーキも問題無し、と。足回りは……んーーー、リヤが結構跳ねるぅぅうーけどどうにかなるかー?」と言ったインプレ。交代するモジャさんに「車は、乗り心地がかなりフワフワだけどあとはオッケー。1コーナーとか、イン側に水溜りあったりするのでラインはアウト寄りで。」と手短に伝えまずは任務終了。

練習走行終了後、同時開催でOMAクラブ員によるダートラがあるとの事。「ふーん」と思ってたら、いつもパドックの隅にあってなんとなく気になってたエボIIIがここで出撃!これは見なくてはとあわてて土手に駆け上がり、レースを前にすっかり観戦モード。同じコースを走るようなのでタイムにも注目したい所。エボがスタートラインにつき、フラッグが振られ……速ぇえええ!泥々の路面でゼロスタートなのに物凄い加速!あっという間に1コーナーの奥に消えて行き――(コースの奥は全然見えない)――お、戻って速ぇええええ!!!自分達の倍ぐらい速度出てるんじゃないかという勢い。そして最終コーナーを回ってゴール!正確に計れていないものの、タイムは約55秒!ゼロスタートなのにうちらより15秒も早い(;゚Д゚)やっぱりエボって反則な車だよなぁと改めて認識。

そうこうしているうちに本戦スタートの時間が迫る。スタートドライバーは改めて重冨さん。うちらにはスタート直後の混乱に突っ込んでいく技量はまだ無いです(´Д`)その重冨さん、持ち込みクラス(車が良い≒格上)相手に素晴らしいバトルを展開し、大きな混乱も無く……と思っていたら25分を過ぎたあたりで赤旗。時間も丁度良いのでこの隙にドライバー交代、Fatalにチェンジ。

「1コーナーのラインは――で、S字の手前がロデオだから」「は?そんなに跳ねるの?」さっきの練習走行では前に車が居たので比較的のんびり走行していたのだが、速度を上げると確かに跳ねる。でもこの程度ならどうにか……“ばいーん、ばいーん”うわ怖ぇえ(;´Д`)それでもどうにかコントロールできる範囲だが、車体へのダメージも心配なのでなるべく跳ねないラインを選んで走る。それより泥で視界が悪くなる、というか殆ど見えなくなる方が辛い。Fatalが走行中は比較的雨が強かったのでワイパーがかなり効果的に働いてくれたが、後で走ったモジャさんやリ〜マンはかなり厳しかった模様。

その後何度か赤旗が出たり、そのせいでリ〜マンの走行時間が短めになったりはしたが前半ヒートは無事終了。この時点で総合10位というアナウンスだが、順位より完走が目標なので「後半も頑張ろー!」と気合を入れなおす。

そして後半、ドライバーの疲れか、路面の悪化からか、赤旗の出る頻度が上がってくる。「当事者にはなりたくないなぁ……」などと思いながら走行していると、相変わらず跳ねまくるS字を過ぎた辺りで違和感が。「なんか真っ直ぐ進まない、ってこれ多分パンクだー!」慌ててピットに戻り、右フロントを見ると……水溜りに浸かってて見えない(笑)ちょっと車をずらして改めてパンクであることを確認したあと、パドックまで車を戻しタイヤ交換の準備。でも順位は落ちるなぁと思ったら、直後に赤旗が。ラッキーだ。スペアタイヤは用意されていたのだが、「工具は用意してね」というアナウンスは受けていたのでMPVにレンチを取りに走る。ジャッキは車載工具の貧弱なジャッキしかなかったが、主催者から油圧ジャッキを借りることが出来た。よーしパパタイヤ交換しちゃうぞー……ふんがぎぐぐぐぐぎぎぎぎぎぎボルト回らねぇ!
「このままリタイヤは嫌だキーーック!!」
“めきょ”
よし回った!(実際には体重掛けただけです。)あとは手早くタイヤ交換を済ませ、ついでにドライバーも交代しレース再開からギリギリ1周遅れない位置でレースに復帰。

どうにかなったな……と安堵し交換したタイヤを片付けようとするとスペアのスタッドレスタイヤが目に入る。これなぁに?とリ〜マンに指摘すると「あ”〜〜、慌てて一番上にあったタイヤそのまま持ってきてしもうた!!」って、つまり本来後輪用に用意してあった普通のラジアルタイヤ付けちゃったって事か!と、とりあえずモジャさんならいきなりコースアウトなんてしないだろう。次にまた赤旗出たら速攻で再交換だな、とか言ってたらほどなく赤旗が。

この他、ウォッシャー液が出なくなり視界が極端に悪化するだとかリ〜マンの走行時間が殆ど取れなかっただとかの事件は若干あったものの、当初の目的であった完走を無事果たすことができた。しかも結果はクラス優勝という順位で。「このままあと2〜3回完走できたらMyダートマシン買っちゃってもいいかもねー♪」なんて上機嫌で話しながらこの日は終了しました。

次回自動車部の活動はホンダロデオさんの野沢ダート……のつもりだったんですが、流石に11時間耐久の翌週は辛いだろう、という事でパス。その次は、あ、やっぱりホンダロデオさんのダートの予定だ(笑)そっちもきちんと、今度こそ正真正銘のノートラブルで完走するぜ!